【財界】働けど働けど、そっと懐を覗く 日本の経営者よ「賃金」に大英断を

平均年収は世界16位、韓国より下

 コロナ禍で大打撃を受け、大赤字を計上している企業が少なくない中で終了した今年の春闘。労使トップ交渉の初日に飛び出した中西宏明日本経団連の不規則発言で大幅賃上げに応じる企業がどの程度出るかが、1つの注目点となった。世界に胸を張れる決断を日本の経営者、財界は出来たのだろうか。

 「日本の賃金水準がいつの間にか経済協力開発機構(OECD)の中で相当下位になっている」。中西会長は労使交渉開始を告げる1月末の交渉でこんな発言を。組合側が大幅賃上げを勝ち取る絶好のチャンスになった。

 経営側は春闘で賃上げを迫る労組に対し「日本の賃金は世界最高の水準」などと反論し、突っぱねてきた。先の超円高を乗り切るための工場の海外移転でも、これを材料に労組の反対を抑え込み、リストラを断行した。

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