ESG、SDGsは「女性の時代」の救世主か それとも見せかけだけのアヘンになるのか

実現できているのは優良企業だけ
分かって欲しい厳しい競争社会

 近頃、ESGやSDGsが特に資産運用業界でブーム化しており、多くのシンポジウム等が開催されている。そのメンバーを見ると、女性の姿が目に付く。ESG、SDGsとは要するに企業経営者たるもの“金儲け”だけではなく、企業の社会的責任にも留意すべきであり、それが企業評価を押し上げ、株価にも好影響を与えるということであろう。

 シンポジウムに女性の姿が目立つのも、女性は、その優しさもあって、現行経済社会システムに内蔵される諸矛盾を押し付けられてきたからこそ、ESG、SDGsを梃子にして「私たちは、むき出しの金儲け主義には与しない、企業は男女平等を含め社会的責任も果たすべきだ」という意向が透けて見える。

 あるいは男社会が汚し続けた世界を、私たちが取り戻す、といった意気軒高な女性もいるだろう。

 なるほど、女性活躍推進に優れた企業を経済産業省と東証が共同で選定する『なでしこ銘柄』(40数銘柄)の対TOPIX投資パフォーマンスは、2000年以降、概ね常にTOPIXを上回っている。だが、『なでしこ銘柄』の多くが、優良企業であることを見逃してはいけない。

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