全国一律の最低賃金、 初の20豪ドル台に オンブズマンが遵守に目を光らせる

正規労働者の最低賃金よりも
勤務時間が不規則な非正規の方が高い

 オーストラリアのフェア・ワーク委員会=Fair Work Commissionが、今年度の最低賃金を2.5%引き上げると発表。これにより、21歳以上の正規労働者の最低賃金は、時給20.33豪ドル(約1708円)となり、初めて20豪ドル台に乗った。所定勤務時間数の少ないパートタイム労働者も、最低時給は同額である。

 一方、「カジュアル」と呼ばれる勤務時間が不規則な非正規労働者の最低時給は、25.41豪ドル(約2134円)になった。正規労働者より25%高く設定されているのは、有給休暇や病欠等の権利がなく、最低通知期間なしに解雇される可能性がある等、不安定な立場にある代償として、賃金を上乗せして付与する「カジュアル・ローディング」と呼ばれる制度があるからだ。

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