高知県室戸市で「廃校を水族館に」 素人の研究者集団の地域おこしが大成功!

もともと地域おこしが目的ではなかった
依頼されたのはNPO法人日本ウミガメ協議会🐢

 少子化が進み、全国各地で廃校が相次いでいる。全国で年間500校が廃校になっているという。大都市も例外ではない。土地不足に悩む大都市圏ならば跡地利用は引く手あまただが、再利用に苦労する地域の方が多い。「地域おこし」の拠点としての活用を模索する事例も多いが、公民館や体育館として使われることがほとんどで、地域外からヒトを集めカネを落とす成功事例は少ない。

 ところが水族館にリニューアルし、人気観光施設になった廃校が太平洋を臨む高知県室戸市にあった。

 高知県の東南部に位置する室戸市は、辛い目にあってきた。太平洋に突き出た「室戸岬」はよく知られているが、人口は1万2470人。かつては太平洋漁業の拠点として栄え、ピークだった1955年には3万2878人が暮らしていた。水産業の衰退に伴い、人口は右肩下がりで減少、現在では高知県内の11市で最も人口が少なく、全国でも下から5番目。室戸市より人口が少ない市は、北海道にしか存在しない。。当然、過疎地だけに室戸市でも16校中10校の小学校が廃校になった。旧室戸市立椎名小学校は2006年3月末に閉校。その後は利用されることなく放置されていた。

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