コロナ、脱炭素化、SDGsがもたらす社会変化 非常時モードに切り替えよ(上)―ワクチン政策の失敗
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コロナ、脱炭素化、SDGsがもたらす社会変化 非常時モードに切り替えよ(上)―ワクチン政策の失敗

大変化の前にワクチン接種は途上国並み

 コロナワクチン接種で途上国並みに立ち遅れた現実は、国民に深い失望感を抱かせた。コロナパンデミックは時代遅れとなった行政の対応を炙り出し、非常事態への適応不能を露わにした。折しも2050年に世界の温暖化ガス排出量を実質ゼロにする脱炭素化と、国連の国際開発目標SDGsを追求する潮流が、国際社会に押し寄せた。この地球規模の新時代は、途方もない変化を我々の経済・生活にもたらす。日本の課題を探った。

 コロナ禍は、それまで見えにくかった日本の問題を一挙に「見える化」した。例えば、非正規労働者やフリーランスの失職や収入急減のケースが増え、社会的立場の強弱を一段と浮き彫りにした(図1)。半面、富裕層ほど所得・資産を増やした。

図1

 格差の拡大は、国際的にも顕著になった。典型例がコロナワクチン接種のスピードの差だ。国民の命を1人でも多く救うかどうかが懸かるワクチン接種は、各国政府の力量が試される。このワクチン調達・接種普及の国際バトルで、日本の立ち遅れは鮮明となった。

 英国で6月中旬に開かれたG7サミット。その主要7カ国と英国から特別招待されて加わった3カ国(インド、オーストラリア、韓国)の計10カ国中、日本のワクチン接種率はこの時点で最下位を付ける。いやサミット参加国ばかりか、OECD(経済協力開発機構)加盟38カ国中でも最下位と大きく出遅れた。

 政府の最大の務めは、国民の生命と財産を守ることだ。しかし、ワクチン接種の遅れと感染力の強いデルタ株の出現で、東京五輪直前には国民の不安感は深まり、世論は開催の是非を巡って2つに分かれた。開催となれば、人出の急増から感染の急拡大は確実、と多くの国民が心底から心配し、実際そうなった。ワクチン接種が数カ月早ければ、国民の不安はこれほどまでにならなかった。接種遅れの実態は深刻だった。行政手続きは手抜かりだらけで、混乱が広がった。「こんな国とは思わなかった」との声も多く聞かれた。

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