百貨店はインバウンド動向を測るだけの存在に?ショールーミングストアは起死回生の武器になるか

遥か30年前、バブルと共に去りぬ
「もう売らない」は降伏宣言ではない

 バブル経済末期の1991年に9兆7130億円を記録し、小売りのステイタスを誇った百貨店。だが、いまはスーパーにはダブルスコアの大差をつけられ、コンビニにさえ抜かれ、昨年の売上高は4兆4182億円と、ピークの半分までに縮小した。

 奥様たちのざーます言葉が飛び交う売場、包み紙だけで、高所得者を虜にし、我々貧乏人の子供たちが、年に1度でも、チキンライスを食べるのが夢だった昔のデパートの面影はない。小売りの業態は消費者ニーズの変化とともに、変貌を遂げ、ステイタスだけでは通用しないことは、売り上げ減からも推して知るべしだ。

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