シャッター商店街が地域密着「町家ホテル」に大変身!滋賀県大津市「よそ者」工務店の挑戦

恵まれた環境のはずが衰退する商店街
京都市や郊外SCに顧客を吸い取られる

 「シャッター商店街」-それは中心市街地の衰退を象徴する。かつては多くの買い物客で賑わい、地域社会の「社交場」を担ってきた場所だ。ところが郊外のロードサイドにできたショッピングセンター(SC)に顧客を奪われ、櫛の歯が抜けるように閉店に追い込まれ、廃墟に近い商店街すらある。

 シャッター商店街を甦らせるその殆どは新たな商店の誘致による商業機能の復活だ。しかし、全く違うアプローチで商店街の再生にチャレンジしている場所がある。滋賀県の県庁所在地である大津市だ。

 古代より琵琶湖の水上交通の要衝であり、比叡山をはさんで京都市と接している古都の1つだ。大津市と京都市は中心部同士がわずか10kmしか離れておらず、在来線で10分ほどの距離にある。そのため同市は県庁所在地にして県内最大の都市でありながら、京都市のベッドタウンという特異な性格を持つ。

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