人口2500人の小さな離島 「長崎県小値賀町」の観光収入を 激増させた「よそ者力」

「ないないづくし」の小さな離島
大人の旅に的を絞り、リピーターを増やす

 離島で大きな産業もなく、全国的に有名な観光地もない。しかも住民はわずか2500人。「さぁ、ここで地域おこしを成功させて下さい」と言われても、尻込みしてしまうだろう。だが、そんな「ないないづくし」の離島で、「地域おこしのお手本」と呼ばれる町がある。東シナ海に浮かぶ五島列島にある長崎県小値賀(おぢか)町だ。

 「『おかえり』『ただいま』から始まる旅。小値賀島には何もありません。リゾート施設もコンビニもありません」。小値賀町ウェブサイトの観光ページは、この一文から始まる。小値賀町は五島列島北部の小値賀島とその周辺に散らばる大小17の島からなる。町内最大の島である小値賀島でさえ面積は12.22平方㎞と、五島列島最大の福江島(326.34平方㎞)の約27分の1にすぎない。

 周辺海域に豊かな漁場があり、東シナ海で操業する漁船団の前線基地として栄え、1950年には人口がピークの1万986人に達した。が、それ以降は右肩下がりで減少し、人口は4分の1以下に。町外との移動手段は佐世保港からのフェリーや高速船、博多港からのフェリーなど、海上航路のみ。佐世保港からは高速船で最短約1時間25分、博多港からはフェリーで約5時間20分かかる。

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