社会情勢を読まない独り相撲でトラス敗退火中の栗を拾う状況で首相となったスーナク

19世紀以来 英国史上最短政権
「成長計画」がトラス政権の命取り

 「三日天下」とも言えそうな実にあっけない幕切れだった。9月6日に英国首相に就任したリズ・トラスは、わずか約1カ月半後の10月20日、首相の座を退くことを表明した。正式に退任するまでの在任期間は49日間で、19世紀のジョージ・カニングの記録(119日)を更新し英国史上最短となった。辞任の意を受けて与党保守党は直ちに後継者選びに着手し、9月に行われた保守党党首選の決戦投票でトラスと接戦を演じたリシ・スーナクを新党首、すなわち次期首相に選出した。

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