俳句の遊歩道(`21/5)

青空へすつくとポプラ卒業す
瀧 美千江

 北欧原産のポプラはヤナギ科の高木。高く伸び、樹形が美しいので、街路樹や牧場などに植える。有名な北海道大学など学苑も例外ではない。従って「卆業の少女等がゐる樹のまわり 椎野正郎」とめでたい風景が展開されるわけである。掲句、一筆描きの俳画のように、直立したポプラの大樹を描出しているが、それがそのまま卆業生のイメージに重なる明快さがいい。イメージのスマートさからすれば、男子高校生か大学生のそれであり、孫ともなればめでたさ、いとしさは一層ふかまるというものである。

 別に「好きな樹を叩いて少年卒業す 山内靖子」がある。

ここから先は

593字
この記事のみ ¥ 200