民主派の武装攻撃に悩まされる国軍総司令官 孤立するミャンマーの軍政、ASEAN分裂も

市民より国軍兵の死者が多い?!
かつてない戦闘、逃げ出す国軍兵

 2月1日のクーデターから9カ月が過ぎたミャンマーでは、民主派勢力と国軍の「内戦」が悪化の一途だ。2020年11月の総選挙で圧勝したアウンサンスーチー率いるNLD(国民民主連盟)の議員が中心となってクーデター直後に結成した連邦議会代表委員会(CRPH)は、4月16日に影の政府として国民統一政府(NUG)を樹立、5月5日には国民防衛隊(PDF)を誕生させた。NUGを代表するドゥワ・ラシ・ラー大統領代行(カチン民族)は、9月7日朝、PDFと少数民族武装勢力に対し、国軍との全面戦争を呼びかけた。少数民族武装勢力には、中国国境近くに支配地を持つワ州連合軍(UWSA)を通じて中国製武器を調達してきたところが多いが、PDFや国軍抵抗勢力の武器は手製の爆弾や地雷、猟銃が中心だった。その後、国軍兵から奪った自動小銃などの武器が増え始めている。

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