【楽勝ムード広がるが】後に分岐点だったと評されることも 重大な意味を持つ2022参院選

ドキドキの展開となりそうにない選挙
「2022年体制」が構築される可能性も

 岸田政権の中間評価となる2022年参院選の投票日が近づいた。新型コロナウイルスの感染拡大と、ロシアによるウクライナ侵攻という2つの危機に直面しながら、岸田文雄首相は無難に対応し、内閣支持率も安定する。何よりも野党第1党の立憲民主党が低空飛行から脱しきれず、野党候補の乱立も解消されないまま、選挙戦に突入したことから、首相が掲げる「非改選も含めて自民、公明両党で過半数」は確実との見方が広がる。

 首相の進退に直結するハラハラドキドキの展開となりそうにないと言われる中で、今回の参院選は後に、分岐点だったと評されるかもしれない重大な意味を持つ。憲法改正の発議に向けた論議の加速、そして野党の勢力図が一変し、労働界も含め「2022年体制」が構築される可能性を秘めているからだ。

 また、岸田首相が今後3年間は国政選挙の心配をしなくてもいい「黄金の時間」を手中に収めたとしても、急激な円安と物価高が襲い、政権に強烈なストレスがかかるのはこれからだ。参院選までの安全運転を意識してか、岸田カラーは日に日に薄らぎ、野党からは「無策無敵内閣」(日本維新の会の馬場伸幸共同代表)とも呼ばれる首相。この9カ月の内政、外交課題への対応を採点し、真夏の決戦の見どころをリポートする。

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