コロナ後遺症でインフレ懸念 物価上昇で消費回復は遅れる

株価調整の理由

 先進国の株式市場が調整局面に入っている。ニューヨークダウ平均株価は、8月16日に3万5625ドルの史上最高値を付けてから、9月29日には3万3843ドルへ5.0%下落した。欧州市場の指標であるユーロストックス50指数の高値は9月6日の4246ポイント、その後の安値は10月4日の3996ポイント、ピーク比5.9%の下落である。直近の10月14日現在では、ニューヨークダウ平均が3万4912ドル、ユーロストックス50指数が4149ポイントである。米、欧ともに下落幅の6割程度を戻した。

 コロナ禍からの景気回復過程で、夏場からデルタ株による感染増で回復の動きが減速したことと、金融当局が物価上昇を背景に金融緩和政策の見直し姿勢を示したことで、消費回復の減速懸念が生じている。

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