[人材払底で降ろせない!]誰が見てもダメなのに生き残っている岸田政権 この国にとってリーダー難が最大かつ深刻な課題

「岸田さんを代えて誰にするのか」
河野太郎?「何をするか分からない」

 内閣支持率の下落が止まらず、わずか20日足らずで2人の閣僚の更迭に追い込まれ、政権運営に青息吐息の岸田文雄首相。不祥事発覚時の危機管理対応のあまりの稚拙さを露呈し、自民党内から呆れと突き放す声も漏れる。いつ「岸田降ろし」が始まってもおかしくない状況に陥っているのだが、“救い”は、国政選挙が遠い先であることに加え、「岸田さんを代えて誰にするのか」(中堅)と言われるように、衆目の一致する「ポスト岸田」が見当たらない。

 自民党だけではない。異例の“長期政権”となった公明党、参院選に惨敗しながら代表が続投した立憲民主党、橋下徹、松井一郎両氏というカリスマ的創業者が表舞台を去った日本維新の会…と、与野党ともリーダーにふわしい人材が枯渇している。内外に課題が山積する中で、この国にとってリーダー難が最大かつ深刻な課題となっている。

 臨時国会が終盤を迎え、岸田首相の求心力の低下が半端ない。とにかく状況判断が甘く、決断が遅いからだ。象徴的だったのが、2閣僚の更迭劇である。法相の職務を「死刑執行のはんこを押す時だけニュースになる地味な役職」と口を滑らした葉梨康弘氏を切ることに躊躇し、外交日程にまで影響を与える大失態。直前まで続投させる意思を示していたのだから、その優柔不断さは際立った。

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