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2023年4月号『ニューリーダー』

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凶弾に倒れた安倍元首相ですが、彼が政治にもたらしたものは何だったのでしょう。傲慢さが目立ち、虎の威を借る狐ばかりを残したようです。さて、中国の脅威に怯えているように報道される台湾… もっと読む
4月1日(土)午前10時更新です。
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#政治・社会

2023年4月号【目次】

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【暗闇への起点は2015年】安倍晋三政権とは何だったのか 私たちは何を許し、何を放置してきたのか

「この件は俺と総理が決める」だった 高市早苗氏も演じた政権の体質 ミステリー小説ならば、「すべての出来事は2015年に起きた」と書き出すかもしれない。史上最長政権として、1強を謳歌した安倍晋三首相時代の「闇」が、また1つ明るみに出た。放送法が規定する「政治的公平」を、首相官邸が介入する形で15年に大転換した経緯を詳細に記す78ページの総務省の行政文書が国会で暴露された。  暗躍したのは当時の礒崎陽輔首相補佐官。放送行政は担当でもないにもかかわらず、慎重姿勢を示す総務官僚をど

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【政治】ガーシー議員の退場劇おかしな議員を生んだ既成政党への不信感

常習的脅迫犯の疑い 昨年7月の参院選で当選しながら、一度も国会に姿を見せず、SNSで自由奔放な活動を続けていたNHK党(「政治家女子48」に党名変更)のガーシー参院議員が、ついに議員資格を剥奪された。

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【官界】安倍政権のおごり高ぶる姿が集約 放送法を巡って明らかになる虎の威を借る狐たち

長年の知恵もこうして崩されていく・・ 放送法の「政治的公平」の解釈を巡って、安倍政権と総務省との生々しいやりとりを記した文書が公開された。

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『農業集落調査』廃止一転も懸念される統計精度 本当に食を守るつもりがあるのか

一時は廃止の予定だった まずは廃止ありきの姿勢 農水省は2月21日、農林業センサス研究会(座長=安藤光義東京大学大学院教授)を開き、農業集落の活動実態を調査し、農村振興の政策立案や研究に不可欠な「農業集落調査」の新たな見直し案を示した。見直し案では、同省は研究者などから強い批判を浴びてきた、当初の廃止案を撤回。従来通りの調査内容としたうえで、民間業者に委託して郵送するという、手間のかからない方法で継続する方針を示している。

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仕事は楽しむものvsお金のため「芸が身を助ける不幸せ」とは?

好きなことを仕事にするデメリット お金のために自分の時間を売り渡す 近年、人々の1日の中で仕事の時間は減少し、趣味や娯楽にかける時間が増大するようになっている。この傾向は特に若者に著しく「好きなこと追及」が生活の大きなウエイトを占めるようになった。  特に若い働き手が不足している企業は「わが社は、仕事は楽しくがモットー」など、若者に媚びるような謳い文句を掲げ、労働力確保に必死である。  では、仕事と楽しさは両立するのだろうか。また、好きなことが仕事になるのだろうか。そこに

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国家の信用と社会保障を重視し財政再建路線「民主党最後の首相」野田佳彦、覚悟の負け戦

「5年で返り咲き」どころか2党分裂状態 「打ちのめされた」12年12月の衆院選 2022年10月25日、野田佳彦元首相が衆議院本会議で、安倍晋三元首相の追悼演説を行った。両者は10年前の12年12月26日の政権交代で首相の座をバトンタッチした間柄である。  演説で、野田は前首相として立ち会った皇居での親任式の2人だけの場面を回顧した。  「あなたは私のすぐ隣に歩み寄り、『お疲れ様でした』と明るい声で話しかけてこられたのです。(中略)『自分は5年で返り咲きました。あなたにも

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インターネットを味方につけるには 情報の民主化が生んだベリングキャット

ふつうの市民がどうやって悪事を暴露し 権力者に説明責任を果たさせるか 知識や情報の普及は歴史を動かす。15世紀のヨーロッパでそれが起きた。歴史作家の塩野七生さんは、こう書いている。「高価で数の少ない筆写本の時代が終わったということは、知識が聖職者の独占であった時代の終焉も意味した」(『ルネサンスとは何であったのか』新潮文庫)。印刷技術の発明と安価で持ち運びが容易な文庫本の大ヒットにより「判断をくだすに必要不可欠な諸々の知識は、教会や修道院の手を離れ、市中に普及していった」とい

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AI がなしたことが「創造」に値するかどうか 情報は人間が与えるものにほかならない

いくら親しみ深い言葉を使ったところで AIに喜怒哀楽の感情はない 第二次世界大戦中に制作されたアメリカ映画「カサブランカ」(1942年)は、結末が決められないまま撮影が始まった。  ナチスドイツ支配下の北アフリカ、夜霧の飛行場。イルザ(イングリッド・バーグマン)が夫でレジスタンス活動家ラズロとアメリカに脱出するか。それとも、開戦時に生き別れになったが偶然再会し、恋がよみがえったリック(ハンフリー・ボガート)とともに危険なこの地に残るか。

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「正義」と「平和」は共存できるのか

消えた傷痍軍人 筆者が子供の頃、上野公園などの盛り場に行くと傷痍軍人が物乞いをしている光景によく出くわした。白装束で四肢のいずれかが欠損し、首から下げた箱で道行く人に施しを求めていた。母親は近づかせないよう筆者の手を引き、急ぎ足になった。  いま、動物園でパンダを見て、デパートで買い物をし、外食を楽しむありふれた平和の中で、その経験は紛れもなく「戦争があった証し」であり、肉眼で見る生身の歴史だった。

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女性管理職が少ない、賃金も男性の4分の3「L字カーブ問題」解消にテレワークは有効だ

テレワークなら夫婦ふたりで家事も育児も コロナ禍の唯一の贈り物かもしれない 日本で女性管理職が少ないのも、女性賃金が男性の4分の3しかないのも「L字カーブ」のせいだ。L字カーブとは、女性の正規雇用の比率が、20代後半でピークを迎えた後に低下することだ。出産・育児を機に会社を辞め、子育てが一段落して再就職しても正規雇用には戻れない。実際にグラフで描くと「へ」の字になるが、それを縦にして、一般には「L字カーブ」と呼ばれている。

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