実態は薄氷を踏むような勝利だった大統領選第2期マクロン政権を待ち受けるハードル

喜べない勝者と野望膨らむ敗者
極右と相通じる極左の躍進

 去る4月24日、フランス大統領選挙の第2回投票(決戦投票)が行われた。前回の2017年と同じマクロン対ル・ペンの構図となり、ル・ペンが雪辱を果たせるかに注目が集まった。しかし、マクロンが得票率58.54%を獲得し、41.46%のル・ペンを破って勝利を収めた。

 たびたび劣勢が伝えられながらも無事再選を果たしたマクロンだが、選挙戦は順風満帆とは程遠いものであった。5年前の大統領選挙では、決選投票の得票率はマクロンが66.1%、ル・ペンが33.9%で、両者の間には30%以上の開きがあった。それが今回はわずか17%程度しかない。

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