注目の「同性婚」訴訟と「別姓婚」訴訟

　司法の世界に新しい風が吹き始めたのかも知れない。昨年3月、札幌地裁は「同性カップルに法的保護を一切与えない現民法は憲法第14条（法の下の平等）に反する」と判示した。判決は「人のもつ性的指向には異性愛も同性愛もあり、異性愛には結婚の選択があるのに対し、同性愛の人には結婚に伴う利益の一切が否定されるのは不合理な差別で憲法違反」とし、結婚は伝統的に子どもを産むことと結びつけられ、今も一般的には男女のものだという国の主張を退けた。一方で、同判決は従来通り憲法第24条の「婚姻」は異性婚を意味するとしたことから双方が上訴、さらに裁判は続けられる。