“食料安保”大合唱の裏で線香花火のような政策、予算は10年で1兆円も減

目先の危機回避策ばかり
日本の食料と農業をどうするのか

 世界的な食料危機が現実のものとなる中で、市場開放・完全自由化に邁進してきた、政府与党や経済界の間でも、「食料安保強化の大合唱」が広がり始めた。岸田文雄首相も臨時国会の施政方針で、「食料安全保障の確保など…危機に強い経済構造への転換に取り組む」と力説した。

 しかし、線香花火的に打ち出す施策も予算的な裏付けは全く不十分だ。

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