素晴らしき哉、人生!

神さまと翼をもらえない2流の天使
彼を救ってやれ、救ったら翼をください

 「人生百年時代」と喧伝され、老いも若きもその対応に翻弄されることになったが、一向に先は見えない。AIとか5GとかDXとか、テクノロジーの情報に追われる日々が続くが、いまこそ戦後希薄になった「幸福論」を語り合うべき時代ではないかという気がする。真剣に人間復興を図る時代ではないかと。

 戦後間もなく「素晴らしき哉、人生!」という映画が公開され、若かった私は胸を熱くしながら観た。原題がIT’S A WONDERFUL LIFE。昭和21年製作のアメリカ映画で日本初公開が昭和29年なので、私が劇場で観たのは高校生の頃だったに違いない。

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