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トランプ有利に進む「大統領の犯罪」中国・ロシアがもう一つの極となる世界

大統領選を有利に運ぶものだったのか
無理筋の刑事訴追のようにも…

 ドナルド・トランプは大統領在任時も退任後も「大統領としては米国史上初の」と形容される不規則発言や乱行でメディアを賑わせてきた。米下院による2度の弾劾訴追、後継大統領の就任式欠席、第二次世界大戦後の国際秩序維持の核となっている国際連合や自由貿易体制維持、発展の要である世界貿易機関(WTO)からの脱退を示唆さえするなど、荒唐無稽ぶりは枚挙にいとまない。ただ、いくらトランプの破茶目茶ぶりに慣れている米メディアにとっても3月30日のニューヨーク州大陪審の刑事訴追決定はまさに前代未聞の出来事で、連日トップニュース扱いし、報道の嵐となった。

 4月4日の罪状認否では、前日にフロリダ州の別荘から自家用ジェットでニューヨークへ飛び、トランプタワーの自宅入りする様子や、当日は自宅を出る際の拳を振り上げる闘志を露わにする姿、マンハッタン刑事裁判所に入る際の記者団の質問には答えない硬い表情など「米国史上初の刑事被告人となった大統領・トランプ」の一挙手一投足を詳報するとともに、果たして手錠をかけられるのか、収監される可能性などについて念入りな分析記事まで掲載された。

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