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『もうひとつの交代劇』声を届けられない、多様な選択肢を与えられない 野党の主役は立憲民主党から日本維新の会へ

悲願の「全国政党」へ足がかりか
全国とのギャップはまだあるのか

 2023年統一地方選は、数年後に振り返ると、野党勢力の「覇権」が立憲民主党から日本維新の会に移る分岐点となったと位置付けられるかもしれない。9道府県知事選、41道府県議選などが行われた統一選前半戦には、そんな予感が漂う。

 維新は、府知事と市長の大阪ダブル選に大勝。府議会、市議会とも単独過半数を獲得し、浪速を完全制覇。それだけに止まらない。奈良県知事選にも勝利し、大阪以外の地で初めての知事ポストを手中に収める。加えて、道府県議選では議席を倍増させ、13県で初議席を確保し、悲願の「全国政党」へ足がかりを築く。これに対し、野党第1党の立憲民主は、保守が分裂した知事選でも候補を擁立できず、道府県議選も改選議席を下回った。

 「維新は関西で華々しい勝利を収めたが、全国とのギャップはまだまだあると率直に思う」と立憲民主の安住淳国対委員長は平静を装ったが、次の政権選択の衆院選に大きな影響を与えるのは間違いない。

 一方の維新の馬場代表は前半戦投開票日の4月9日夜、

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